東武のSL大樹「電車の運転」とどのくらい違うのか 機関区のベテラン社員が語る「腕の見せどころ」

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SLの出発準備をしたり入れ替え作業をしたり、また実際に鬼怒川や日光までSLを運転したり。そうしたSL・DL関連の作業をすべて担っているのが、下今市機関区の職員ということになる。

「機関区は主に運転をする運輸科と整備などを担当する車両科に分かれています。現在は運転科が35人で車両科が19人、機関区長の私を加えて総勢55人でSLの運行にあたっています。電車と違って車掌も機関士が兼務するので、この55人でSLを動かしているということになります」(眞壁機関区長)

左から下今市機関区の大谷秀明車両科長、伊藤健一運輸科長、眞壁正人機関区長(撮影:鼠入昌史)

SL機関士になるには…?

一般的な電車であれば、運転士や車掌、また車両の整備は別部署に分かれている。しかし、機関区では機関士も車両の整備も、SLに携わるすべての人が下今市機関区に所属する。

いささか大げさな言い方をすれば、それだけ互いのコミュニケーションが重要だということだし、また特殊な技術を要求される現場ということでもあるのだろう。

SLを運転するために必要なのは、甲種蒸気機関車運転免許。電車やディーゼルカーなどの免許と同じく国家資格だ。さらにボイラー技士免許も取得しなければ、SLを動かすことはできない。

「東武鉄道では、入社するとまず駅、そこから車掌をやって電車の運転士になるのが前提条件。そこから手を挙げた希望者の中から……と言いたいのですが、希望すれば誰でもやれるというものでもないのが実際のところです。ボイラー技士の試験も相当難易度が高いですし、体力勝負の一面もある。もちろん蒸気機関車のことはすべてわかるようにならないといけないですし……」(眞壁機関区長)

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