東武のSL大樹「電車の運転」とどのくらい違うのか 機関区のベテラン社員が語る「腕の見せどころ」
……と、ここで気になることがある。そもそも、蒸気機関車ってどうやって動いているのか。100%理解するのは難しいが、かいつまんで眞壁機関区長に教えてもらった。
「蒸気を発生させるために石炭を入れて燃やします。高温の煙が煙管の中を通ることで煙管の回りの水を温める。煙の温度は1500度くらいになって、水が蒸発する。これで圧力を作りだして、シリンダーに送り込んで動力を得ます。送り込む量は加減弁で調整して……」(眞壁機関区長)
どうやって運転している?
ある程度の予備知識がなければ、かいつまんでといってもなかなか理解するのは難しい。が、実際に運転席を見せてもらうと、その中にはいくつもの圧力計が並んでいた。その圧力計とにらめっこしながら、巨大なSLを操作しているということなのか。
「そうですね。ただ、圧力計の数字ばかりに追われていてはダメなんです。私も最初の頃は、『SLに操られている』なんて言われたものです。それが慣れてくると余裕がでてきて、圧力計ももちろんですが、音を聞いてこうだから、じゃあこうしよう、と。そうなってはじめて、自分でSLを動かすという感覚になってくるんですよね」(眞壁機関区長)

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