真冬に本領発揮する、「津軽鉄道」の名物車両たち ストーブ列車にラッセル車…、厳寒期の風物詩

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凛と冷えた金木駅に到着したストーブ列車。駅名標の文字はつがる市の書家相馬呑気氏(故人)によるもので五所川原の立佞武多の館などでも目に触れる。滋味深い文字が津軽の地の温もりを感じさせる(写真:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2025年3月号「冬に本領 風雪の津軽鉄道」を再構成した記事を掲載します。

東京を朝6時台に出ても昼の列車に乗れる

津軽五所川原―津軽中里間20.7km。津軽半島の内陸に延びる津軽鉄道は冬のストーブ列車が風物である。熱気ほとばしる石炭ストーブとスルメを炙る香ばしい匂い。その一部始終を体験しに出かけて存分に浸るとともに、澤田長二郎社長から内情も聞いてきたが、ここではストーブ列車に乗り込む際に目にする、昭和も30年代にスリップしたような文化財級の車両を紹介したい。

東京6時32分発の「はやぶさ1号」に乗れば、タイトな乗り継ぎながら新青森9時57分発の奥羽本線普通を捕えることができ、川部10時38分発の五能線で五所川原には11時05分着。12時00分発の津軽鉄道153列車に乗れるのだから、ついつい時代は変わったものと思ってしまう。

「はつかり」「ゆうづる」「みちのく」「十和田」「八甲田」などの名は、もう昭和の演歌の世界に等しい。とは言え、青森で一晩を過ごし、息が詰まるほどの凍った空気を吸ってから、さぁとばかりに出立するほうが、気持ちが整うというものだ。

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