10両が主力の首都圏私鉄に「短い編成」が残る事情 「ホームの長さが足りない」以外にも理由はある
首都圏の通勤路線では、10両編成やそれを上回る長さの電車が行き交っている。JR山手線は11両編成、中央線快速や中央・総武線各駅停車、京浜東北線、埼京線などは10両編成だ。
都心に発着する私鉄の主要路線も同様で、例えば東急田園都市線や東武東上線の池袋発着列車はすべて10両編成だ。一方で、10両編成の列車が走る路線でも8両編成などのやや短い列車が交じって運行しているケースもある。ホームの前寄りや後ろ寄りで電車を待っていたら「短い列車」がやってきて目の前には停まらなかった……という経験がある人もいるのではないか。
利用者数が大幅に減る区間はともかく、都心寄りなら編成両数を統一したほうが効率がよさそうに思えるが、あえてそうしていない、そうできないのはなぜかを探ってみた。
ホームの長さは10両分あるが…
全列車が10両編成でもよさそうな主要路線ながら、8両編成が混在しているのが東急電鉄の東横線である。東急の大看板である東横線は、新横浜線や東京メトロ副都心線などに直通する大動脈として渋谷・横浜方面ともに終日利用者が多い。特急などは10両編成で運転しているものの、各駅停車はすべて8両編成である。
一般的に、列車の編成両数が制限される理由の1つとしてはホームの長さが足りないということがある。だが、東横線の駅のホームは、各駅停車のみの駅でも10両分の長さがあるように見える。実際のところはどうなのだろうか。
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