全線直通列車なし「系統分離」路線が増える事情 需要減る区間の効率化、乗客は乗り換え必要に

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青梅線 E233系4両編成
JR青梅線を走る電車。同線の青梅―奥多摩間は2023年春のダイヤ改正ですべて4両ワンマン運転になり、全線を直通する列車はなくなった(写真:藤森啓太/PIXTA)
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車両を切り離すか、運行を分離するか

都心から放射状に延びる路線の多い東京圏の鉄道。ほとんどの路線は、都心部から離れるにしたがって利用者が減っていく。そこで多くの路線では、都心からある程度離れた途中駅までの列車を多数運転する一方、その先は本数を減らして輸送力を調整している。

利用者の減る区間で輸送力を調整するために鉄道会社が行っている手段はほかにもある。その1つは「列車の編成を分割」するやり方だ。例えば15両編成の列車を途中駅で10両と5両に切り離し、その先の区間は10両編成で運転するといった形だ。

また、近年はもっとラジカルな方法として、都心部から離れたエリアへ長編成の列車を直通させるのをやめて途中駅で運転系統を分離し、その先は短編成の別の列車に乗り換えてもらうという「系統分離」が増えている。それぞれどんな事例があるだろうか。

途中駅で一部の車両を切り離し、編成を身軽にして目的地に向かうのは、東京圏ではJR線でよく見られる。例えば横須賀線の電車は逗子で編成を分割する。同駅から久里浜までは、ホーム有効長の関係で15両編成が入線できない。そこで、同線の電車は11両編成と4両編成に分割できるようになっており、逗子で4両の切り離し・連結を行う。

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