全盛期は200店舗超→現在56店舗「焼肉屋さかい」が20年で”大幅縮小”した理由とは?焼肉業界は倒産件数”過去最多”で《冬の時代》
実際に、焼肉坂井ホールディングスが展開する、コンセプト色の強い一例が、ジンギスカンをウリにした『ヤマダモンゴル』だ。

ランチ時に訪れると、神田という場所柄、おひとり様のサラリーマンも目立つ。ランチメニューはたった1種類、ラムのロース一本勝負で、価格は120gで1200円、180gで1500円、240gで1800円。これにおかわり自由で、ご飯、味噌汁、玉ネギ、もやしが付いてくればお得感もある。
入店直後に注文を聞かれ、スタッフがその場で声を張り、厨房にグラム数を伝える。来店客は会計を事前に済ませてから、着席するスタイルもスムーズだ。
注文して早々、定食のセットが到着。来店客がテーブルにあるジンギスカン鍋で焼くスタイルのようだ。飛び跳ねる油を気にしつつも、焦げ目のついたラム肉を、濃いめのタレに潜らせて口に運ぶと、引き締まった赤身の肉肉しさが広がり、脂質が少ないながらも白米が進む。中年のサラリーマン層からしたら、罪悪感なく手軽に堪能できそうだ。
店舗からしても、メニューが1種類で、セルフで焼くスタイルであれば、仕入れやオペレーションも効率的だ。フランチャイズでの展開もしやすいだろう。

焼肉業界“冬の時代”の生き残り方
取材を終えてみて思うのは、焼肉屋さかいの経営状況や、ひいては業界全体の店舗減少を見ると、焼肉業態はジリ貧の局面が続きそう、ということだ。
かつて外食の筆頭だった焼肉も、総合的なメニューから専門性重視へ、持ち味を打ち出す形に姿を変えていくのかもしれない。
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