「抗がん剤の副作用で体がだるく筋力も低下…」それでも寝たきりは禁物 無理なく運動を取り入れる工夫とは?

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途中、スーパーに立ち寄ってオレンジやバナナを購入していく。運動後のご褒美だ。住宅街から玉川上水沿いの土の細道に入るとモミジの新緑がさわやかだ。ツツジやシャガも咲いている。

自宅を出てから30分ほどで井の頭公園に着く。池の周辺は人が多いが、南側の小さな森の広場みたいになっているスペースはひっそりとしているので、静謐な時間を過ごすことができる。自転車を止めてベンチにシートを敷いて腰掛ける。クヌギ、ケヤキ、モミジ、コナラ、桜など多彩な樹木が存在感を放っている。

部屋にこもっているのとでは大違いである。20分ほど公園内を動き回って気分転換。ベンチに戻ってオレンジをカットして食べる。ビタミンC補給だ。帰りは別のコースで自宅に向かう。

玉川上水沿いの道をサイクリング(筆者撮影)

趣味だった山歩きにも挑戦

公園へのサイクリングの次のステップは山歩き復活に向けた挑戦だ。30代から30年以上続けてきた山歩きだが、昨年の10月に膀胱全摘出手術を受けて以降は一度も山に行けないままだった。

4月下旬に久しぶりに高尾山から一丁平にかけて歩いてきた。ケーブルカーを使って体力を温存し、山頂までは吊り橋のある4号路を進んだ。平坦な道が続き、橋を渡ってからもなだらかな傾斜なので、山歩き復活イベントにはもってこいのコースだ。

朝早めに出発したので、行き交う人も少ない。ブナやイヌブナの鮮やかな新緑に目を奪われながら、一歩一歩ゆっくりと歩を進める。

がんは膀胱から肺にも転移しているので、心肺能力は大きく低下。登りはまさに亀さんの歩みである。それでもケーブルカー駅から1時間ちょっとで山頂に着いた。

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