【ロールス・ロイス史上、もっともパワフルな最新作】価格は5614万円からの電気自動車「ブラック・バッジ・スペクター」が魅せる世界観

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静止から時速100kmに達するまでに要する時間は4.3秒ということで、3トンに届きそうな車重を考えると、驚くべき速さ。普段のドライブで使うことはないが、バッテリー駆動車の秘めた力がわかる機能だ。

バイパーバイオレットの外板色
バイパーバイオレットの外板色(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

スピリテッド・モードは、他社ではローンチコントロールと呼ばれるものだが、「私たちなりの言い方をするのが、流儀でして」と、サーキットで会った技術者は笑っていた。ちなみにスピリテッドとは精神が横溢しているといった意味の英語で、同車のシンボル、スピリット・オブ・エクスタシーともかけている。

驚きの快適性

駆動用バッテリーの容量は102kWhで一充電航続可能距離は493ー530km(WLTP)
駆動用バッテリーの容量は102kWhで一充電航続可能距離は493~530km(WLTP)(写真:Rolls-Royce Motor Cars)
ブラック・バッジ・スペクターの価格は5614万円からとなる
ブラック・バッジ・スペクターの価格は5614万円からとなる(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

もうひとつ、驚きの発見がある。どこで乗っても、ロールス・ロイスらしさを失わないクルマづくりの技術力を見せつけられたことだ。試乗コースは1周約3kmのサーキット。途中に狭めの間隔で並べられた三角コーンの間をジグザグにすり抜けていくスラロームも設けられていた。周回コースはもちろん、重量級マシンにはタイトなスラロームですら、じつに快適なのだ。

コンビネーションに内装色はアグレッシブな印象
コンビネーションに内装色はアグレッシブな印象(写真:Rolls-Royce Motor Cars)
速度、バッテリー残量、電流など、直感的に判断するためニードルメーターが備わる
速度、バッテリー残量、電流など、直感的に判断するためニードルメーターが備わる(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

 

快適というのは、運転席にいる自分が不用意に揺さぶられないこと。最初に助手席で同じコースを体験したときも同様で、小さなコーナーも自信をもって入っていける車体コントロールの高さとともに、本でも読んでいられるんじゃないかと思えるぐらい、つねに安定した姿勢で乗っていられるのだ。

「それがロールス・ロイスなんですよ」。ピットに戻って、私がこの感想を述べると、技術者は得心したような表情で、そう語った。

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最後にブラック・バッジは、ダークや黒のイメージと、前述したが、もちろん、どのモデルも黒というわけではない。好きな色(特注でなくても4万4000色のカラーパレットがある)が選べる。ブラック・バッジ・スペクターのイメージカラーは、「1980年代と90年代のクラブカルチャーからインスピレーションを受けた」という「ベイパーバイオレット」という紫だ。

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小川 フミオ モータージャーナリスト

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おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

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