静止から時速100kmに達するまでに要する時間は4.3秒ということで、3トンに届きそうな車重を考えると、驚くべき速さ。普段のドライブで使うことはないが、バッテリー駆動車の秘めた力がわかる機能だ。

スピリテッド・モードは、他社ではローンチコントロールと呼ばれるものだが、「私たちなりの言い方をするのが、流儀でして」と、サーキットで会った技術者は笑っていた。ちなみにスピリテッドとは精神が横溢しているといった意味の英語で、同車のシンボル、スピリット・オブ・エクスタシーともかけている。
驚きの快適性


もうひとつ、驚きの発見がある。どこで乗っても、ロールス・ロイスらしさを失わないクルマづくりの技術力を見せつけられたことだ。試乗コースは1周約3kmのサーキット。途中に狭めの間隔で並べられた三角コーンの間をジグザグにすり抜けていくスラロームも設けられていた。周回コースはもちろん、重量級マシンにはタイトなスラロームですら、じつに快適なのだ。


快適というのは、運転席にいる自分が不用意に揺さぶられないこと。最初に助手席で同じコースを体験したときも同様で、小さなコーナーも自信をもって入っていける車体コントロールの高さとともに、本でも読んでいられるんじゃないかと思えるぐらい、つねに安定した姿勢で乗っていられるのだ。
「それがロールス・ロイスなんですよ」。ピットに戻って、私がこの感想を述べると、技術者は得心したような表情で、そう語った。

最後にブラック・バッジは、ダークや黒のイメージと、前述したが、もちろん、どのモデルも黒というわけではない。好きな色(特注でなくても4万4000色のカラーパレットがある)が選べる。ブラック・バッジ・スペクターのイメージカラーは、「1980年代と90年代のクラブカルチャーからインスピレーションを受けた」という「ベイパーバイオレット」という紫だ。
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