ビルコムがソーシャルコマースを開始、“潜在需要”発掘の起爆剤となるか

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料金プランは開店プランと集客プランの2種類だ。開店プランは初期導入費や月額利用料はかからず、システム利用料として、売り上げの4%がビルコムの収入となる。集客プランは初期導入費で5万円、月額費用は9800円、売り上げに応じたシステム利用料はないが、自社サイトへ移動する1クリックにつき60円が課金される。
 
 この料金設定について太田氏は「集客プランは自社サイトに誘導したい大手企業向けの商品。メインは開店プランで、従来のネットショップではうまくいっていない地方の中小企業を対象に導入を進めていきたい」と言う。

サービス開始後の状況で目を引くのは、導入件数だけではない。通常、楽天などのネット通販サイトでは、全閲覧件数のうち実際に購入までたどり着く“転換率”は、0.01~0.1%程度と言われる。だが、ReBuyでは開店プランの平均転換率が2~3%に達した(集客プランは計測不能)。フェイスブックは原則実名登録が特徴だ。消費者は自力で欲しい商品を探し当てるより、口コミや信頼できる人の評価があった場合、購買意欲が増している可能性があるといえそうだ。

米コンサルティング大手Booz&Companyは、立ち上がったばかりのソーシャルコマース市場が、2015年には2.3兆円まで膨れ上がると試算している。従来型のネットショップが消費者の顕在化した需要にマッチした「顕在型消費」だとすれば、ソーシャルコマースは消費者が意識していなかった潜在化した需要をも掘り起こす「潜在型消費」と言える。日本でもソーシャルコマースが普及すれば、消費の流れ自体を大きく変えるかもしれない。
(二階堂遼馬 =東洋経済オンライン)

■ReBuy導入のデモ画面

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