アメリカ上場の中国企業の「回帰先」に香港が意欲 米中対立激化による「上場廃止リスク」に備え

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アメリカに上場する中国企業の上場廃止リスクが浮上したのは、今回が初めてではない。アメリカのドナルド・トランプ大統領は第1次政権の任期中の2020年12月、アメリカに上場する外国企業にアメリカの会計監査基準の厳守を求める「外国企業説明責任法」を制定した。

香港は第2次トランプ政権の発足を逆手に、国際金融センターとしての地位向上を目指す。写真は香港証券取引所での上場セレモニー(同取引所のウェブサイトより)

この法律は、アメリカに上場する外国企業の監査法人が公開会社会計監査委員会(PCAOB、アメリカの上場企業の監査法人を監督する機関)の検査を3年連続で受け入れなかった場合、その企業を上場廃止にすることを定めている。実質的には中国企業を狙い撃ちにしたもので、一時は170社を超える中国企業が上場廃止の「暫定リスト」に追加された。

第2次トランプ政権で再び暗雲

その後、ジョー・バイデン政権下の2022年8月に、アメリカに上場する中国企業の監査・監督に関する相互協力について米中当局間の合意が成立。PCAOBによる中国本土と香港の大手監査法人の検査が実現したことにより、中国企業の上場廃止は回避された。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

ところが第2次トランプ政権の発足とともに、先行きに再び暗雲が漂い始めた。香港政府の陳財政官は2025年2月に発表した財政予算案の中でも、(海外に上場する中国企業による)香港での重複上場および2次上場を含めて、上場手続きのハードルを最適化する改革を進めると述べた。

さらに、陳財政官は4月13日のブログで、東南アジアや中東地域の証券取引所との連携を強めることにも意欲を示した。上場制度改革を通じて(中国企業だけでなく)東南アジアや中東の優良企業の香港上場を促し、国際金融センターとしての香港の地位向上を図るとしている。

(財新 駐香港記者:王小青)
※原文の配信は4月14日

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