楽天・三木谷社長は"牢屋"から飛び出した

クリムゾンハウス始動で何が変わったか

山田:次にグローバル戦略を聞きます。昨年は米国で会員制アフィリエイトモールを運営するEbatesを1000億円買収するなど世界でのコマース事業拡大に向けた投資をしました。2015年12月期第2四半期の実績を見ても、グローバルコマースの取扱高は大きく伸びているようです。買収は成功ですか。

三木谷:うまくいっている部分もありますが、まだまだの部分もかなりあります。7割ぐらいうまくいっていて、3割ぐらいはまだまだ、と思っています。うまくいっている中でも、例えばメッセージングアプリのViberは、もうユーザー数が世界で9億人を超えてきているが、売り上げという意味では「もっといけるよね」っていう部分がある。ただ総じてうまくいっているという感じはします。

成功するためにどうするか。そこが重要だと思っています。今まで日本のサービス会社で、世界で成功した会社はないですよね。自動車産業、家電のように、いい製品を作って、それを輸出するというグローバル化はあったにせよ、サービスカンパニーで成功した例がない。そこに言語の壁があるからです。だから楽天は英語化を行なった。

ミルフィーユのような状態にしたい

いま組織のグローバル化は、本当にうまくいきつつある。まだ、この部署は日本人ばかり、この部署は外国人ばかりという具合に差があるのですが。これが今回引っ越しを行ったことでさらにもう一歩、一体化していく。ミルフィーユを縦に切ったみたいに万遍なく組織が国際化していくと思います。

楽天は「ミルフィーユ組織」を目指す(写真:海と猫 / PIXTA)

山田:どこを切っても同じシマシマになる、と。

三木谷:ミルフィーユになることによって、ようやく本当の意味でのグロース(成長)戦略、ちゃんと儲かる国際戦略が打てるようになるのかなと思います。

今までやってきたのは、種まきです。それは育ってはいるものの、まだ実になって収穫をするところに行っていない。だんだん根っ子が生えて出てきた、という程度の段階です。これからちゃんと肥料をあげて、果物を収穫しなくちゃいけないわけです。まあ、幾つか軽く収穫できているところはありますが、ほとんど収穫の段階にはなっていません。

要するに、ようやく土台の部分はできたという実感はある。その土台の部分が難しいわけですが、そこはできたかな、という感じがします。

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