楽天・三木谷社長は"牢屋"から飛び出した クリムゾンハウス始動で何が変わったか

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三木谷:今思えば、そうでしたね。でも、ドアをなくしてオープンにした瞬間にいろいろなものが見えるようになってきたんですよ。今までいったい何をやっていたんだって思うかもしれませんけど。

これは本当に驚いたのですが、平場になっただけで、何もかもが大きく変わります。もうすでに会社の血の流れが変わり始めていて、社内のいろいろなところで新しいアイデアが動き出している感じがしています。それは各サービスもそうですし、サービス間の連携という意味でも起きている。

例えばインターネット金融事業は、品川に本社があった時には、近いといっても50メートル先の別のビルにいた。これが本当に同じビルの中に一体化した。これによって、我々の国内の「コネクティング・ザ・ドッツ(点を結んでいく)」という戦略が、さらに強化されつつある。これが、新本社によって起きつつあることの1点目です。

「ワーク・サポーツ・ライフ」を実践

三木谷:2点目が、データドリブン(データ主導)を徹底するようになったことにより、いろいろな意味で会社の中に横串が通り始めています。事業の観点から見て、ここへの引っ越しというのは非常に成功したと僕は思っています。

ほかにもあります。プラスとして、事業面以外にも大きな変化があった。僕は、ここで文字通りに「ワーク・サポーツ・ライフ」をやりたいと思っています。

山田:ワーク・ライフ・バランスではない、と。

社内にはトレーニングジムもある

三木谷:ワーク・サポーツ・ライフは私の持論です。例えば、ランドリーサービスから始まり、朝昼晩とも食事は無料ですし、ジムもあります。鍼灸院もあるし、お子さんを預かるデイケア施設もあります。

山田:何もかもがうまくい行っているように聞こえますが、当然、改善していきたいポイントもありますよね。

三木谷:それはいっぱいありますね。見ての通り絨毯を赤にしましたが、ちょっと目にきついので一部フロアでは茶色に変えていくことを検討しています。エレベータが混んでしまうことも分かったので、運用方法を変える話もしています。そういう実務的なところで変えなければいけないところはあります。ただ、大きなコンセプトとしては本当に良かったな、という気がしますね。

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