大谷「出産立ち会い」で欠場がアメリカの常識な訳 試合に出ようものならイメージダウンは必至だった

大谷翔平選手に長女が誕生した。「父親リスト」入りして試合を欠場したことも、出産翌日にはすぐにテキサスに飛んで復帰したことも、日本のファンには驚きだったようだ。
しかし、アメリカにおいて、大谷選手の行動はごく普通である。むしろ、現地時間19日の昼間に出産報告をし、20日の試合に出た大谷選手は、余裕があったほうだ。2年半前のポストシーズン中、同じドジャースのウィル・スミスは、もっと遅い時間に妻が出産してすぐに飛行機に乗り、ろくろく寝られないまま翌日の大事な試合に出ていた。
「父親リスト」は「育休」ではない
「父親リスト」という言葉に馴染みがないため、「育休」と勘違いしているようなコメントも見られたが、これはあくまで出産立ち会いのための休み。そもそも、「父親リスト」は、最長3日間という決まりである。
そして、この休みは、みんな必ず取る。生まれてくるのは自分の子供なのに、しかも妻がそのために大変な思いをしているのに、そこにいないほうを選択するなんて、アメリカではあり得ないことなのだ。
野球に人生を捧げてきた大谷選手が欠場を選んだことを意外に感じた日本のファンもいたようだが、もし大谷選手が出産の瞬間にも試合に出たならば、たとえ逆転さよなら満塁ホームランを打ったとしても、アメリカのファンは誰も祝福しないだろう。
逆に「奥さんを放っておいて、こんなところで何をしているんだ?」「よく平気でいられるね」となるはずで、イメージダウンは免れない。そもそも、MLBは、家族思いというイメージを大切にしているので、なおさらだ。

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