人気サッカー漫画『ブルーロック』に学ぶ《メタ思考》の仕組み ミスが許されない時代を生き抜く思考法とは?
それでも棋士たちは、和やかな雰囲気のなかで、互いがどの場面でどう迷ったか、どう考えたかなどを事細かに振り返ります。
この感想戦で特徴的なのは、それぞれの棋士が1つの局面をめぐって、自分にはこう見えたと明かし合うこと。
いわば、主観と客観を行き来しながら“お互いの視点”を重ね合わせる。
これによって、棋士たちはメタ思考にいっそう磨きをかけているように思います。
難しそうと思うかもしれませんが、私たちも同じような思考の訓練を、意外と簡単に行うことができます。
それは「他者が何を考えていたのかを知ろうとする」ことです。
たとえば販売の仕事をしているなら、別の店で「お客さんの目」を意識して買い物をしてみる。
そうすると、いつも自分の目が見ているお店の風景に、お客さんの目で見える別の風景が重なります。お客さんが何を考えているのかも想像しやすくなります。
こうして主観と客観を行き来させると、そのメタ思考から現状の課題が浮き上がり、修正・改善していくことができるようになります。
とくに判断に迷ったり、自分の行動に自信が持てなかったりするときは、「他者の目はどんな風景を見ているか」を想像してみる。
そんな練習を続けるうちに、「主観と客観を行き来する」ことによるメタ思考が磨かれます。
「超越視界(メタ・ビジョン)」の世界とは
最近、私が「ああ、これこそがメタ思考だ」と思わず膝を打った、とてもいいテキストがあるのでご紹介したいと思います。
それはズバリ、『ブルーロック』というサッカー漫画です(原作・金城宗幸(かねしろむねゆき)、漫画・ノ村優介(のむらゆうすけ))。
2018年から「週刊少年マガジン」(講談社)で連載されていて、テレビアニメにもなったこの作品は、まさに「メタ思考を追求した漫画」です。
ブルーロック(青い監獄)とは、日本がW杯優勝を果たすために、日本フットボール連合が立ち上げたプロジェクト。
そのコーチを任された絵心甚八(えごじんぱち)が、世界一のストライカーを育てるための特殊トレーニングを展開します。
主人公の潔世一(いさぎよいち)は、絵心が「実力あり」と認め、全国から集めた300人の高校生FWの1人。代表入りできる選手がごくわずかであることは言うまでもありません。ほぼほぼデス・ゲームの世界です。
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