――鉄道事業について詳しくお聞きしたいです。運輸収入の内訳は?
新幹線が47.2%、在来線では近畿圏が37.2%、その他のエリアが15.6%という収入構成です。2015年度の第1四半期では、新幹線の割合が5割を越えました。
駅力を高めて鉄道利用率向上へ
――北陸新幹線の開業が理由ですか。
そのとおりです。新幹線が当社にとって重要な柱ということで、今後も新幹線を磨いて、より事業全体を高めていきます。
――高めるとは?
安全性、信頼性、利便性の追求です。近畿圏では人口減少が始まっています。そのような環境で、沿線価値を向上させて、お客様が住みたくなるような沿線を目指そうという取り組みをしております。駅とまちづくりを一体化して周辺整備を行うとか、駅の魅力を向上させるためにサービス施設を改良するといったことです。
ただ、その基盤となるものは何をさておいても安全性。輸送品質を向上させて初めてお客様から選ばれる鉄道になりますから。輸送品質を高めるためには私鉄とも連携します。
たとえば京都では京阪電気鉄道や京都市交通局、京福電気鉄道などと共同で公共交通の取り組みを行っています。主要な観光地では、「鉄道を乗り継げば、少し歩くけれどもちゃんと着きますよ」というマップを貼ったりもしています。
――関西圏以外の在来線も気になります。
関西以外の在来線では、広島都市圏における山陽本線、可部線、芸備線、呉線といったネットワークの充実を図っています。車両が国鉄時代のままでしたが、今回、やっと新しい227系電車を投入して車両を一新します。新しい保安システムも入れる予定です。
広島駅は今工事中ですが、駅の拠点性を高めてネットワークを充実させ、鉄道の利用率を高めていきたい。むろん広島だけでなく、他の都市圏でも考えています。広島のような中核都市以外の地域については、観光開発の中で地域の魅力を高めて、外からお客様にお越しいただくという取り組みをやっていきます。
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