キャリアの転機は、突然訪れることがほとんどです。そのときになって慌てるのではなく、事前にある程度の計画性を持ってキャリアを進めることが大切です。
キャリアを“主体的に選べる状態”に
ただし、計画性を持つことは「キャリアゴールを決め、その道を確実に進むこと」とは違います。柔軟なキャリア形成を実現するためには、キャリアを主体的に選べる状態にしておくことがポイントです。
選べる状態とは、いくつもの選択肢があり、自分に合ったものを選べる状況を指します。それはすなわち、「選ばれる存在」でもあることを意味します。
では、選べる状態になるために、どのような準備が必要なのでしょうか。私は、過去から自分を知り、キャリアの中核となるものや、価値観に基づく選択基準の明確化をお勧めしています。
しかし、ただ「自分を知る」だけでは、誰にも気づいてもらえません。自分の持つ強みや魅力を、周りに伝わる形で表現する必要があります。
もしかすると、就職活動や転職活動で思うように結果が出せず、「選ばれない自分に価値がない」と感じている方もいるかもしれません。でも実際には、選ばれない原因は、自分の魅力をうまく表現できていない、伝わっていないだけかもしれません。
相手(情報の受け取り手)にすべてを委ねるのではなく、自分自身が伝えたいことを理解し、相手にわかる形で伝えることが大切です。
ライフステージの変化は、私たちのキャリアに大きな影響を与えます。
重要なのは、ライフイベントを見据えて早めにブレーキを踏むのではなく、必要なタイミングまでキャリアの成長を追求することです。また、時短勤務という選択は、一時的な対応としては有効ですが、長期化によってキャリアの機会損失につながる可能性があることも理解しておく必要があります。
「こうあるべき」という呪縛や、育休前の自分の姿に引きずられる「残像問題」は、多くの人が直面する課題です。これらを乗り越えるためには、「家族はチーム」という考え方を持ち、パートナーと共にファミリーキャリアを設計していくことが大切です。
完璧なワークライフバランスを目指すのではなく、その時々の状況に応じて柔軟に対応していく。そして、子どもの成長に合わせて再びキャリアアクセルを踏むタイミングを見極めていく。
このような柔軟な姿勢が、ライフステージの変化を乗り越えるカギとなります。
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