上の子が小学校に入学する1年前に転職を決めた理由は、「最初の1年でしっかりと実績を出せば、子どもが小1になって親としてのスケジュールが増えても、パフォーマンスに支障はないだろう」と考えたからです。
また、下の子が小1の壁を越えた後には、再びアクセルを全開にしてキャリアを本格的に追求したいと、夫にも話していました。
当時は、小学校に入ると親の参加する行事が増えることや、午前中で終わる日が多いこと、さらに習い事のスケジュール調整など、細かなことまでは想像できていませんでした。
それでも、中学受験をする予定もなかったし、このタイミングでアクセルを再び踏むことができるだろうという計画を立てていました。
最も仕事に集中できる時期
振り返ってみると、保育園の年中・年長の頃が最も仕事に集中できる時期だったかもしれません。保育園に通い始めた頃は、子どもが頻繁に体調を崩し、週の後半になると疲れからまた体調を崩すことが多かったのですが、年中になる頃には「あれ?今週1日も休んでいない!」という日が増え、それが日常となりました。
「子どもがいつ体調を崩すかわからない」という心配が減ると、仕事の予定が組みやすくなり、結果として「小学校に上がる1年前」のタイミングでプチアクセルを踏んだのは正解だったと、今でも思っています。
「子どもと過ごせるのは期間限定だから、なるべく一緒にいたい」という気持ちはとてもよく理解できます。しかし、その期間が終わった後、「自分はどうなるのか?」と考えることも大切です(もちろん、どちらが正解ということではなく、あくまで考え方の話です)。
以前読んだ瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』に、「子どもを持つと明日が2つになる」という言葉があり、深く印象に残っています。「自分の明日と、子どもという多くの可能性を含んだ明日がやってくる」という意味です。
確かに、親になることで未来が広がり、明日が2倍になる感覚はあると思います。
しかし、「一緒に見ていた明日。2つ見ていた明日は、また1つになるときが来る」とも感じています。子どもは成長すると自分のコミュニティを作り、いろんな可能性を手にして巣立っていきます。別々の明日になるわけです。
「子どもが巣立ったあと、自分に何が残るのか?」と考えたときに、私は「自立していたい」と強く思いました。「子どもありきの私ではなく、私は私として生きていたい」と感じたのです。私の場合、そのための手段が「働くこと」でした。
もちろん、手段は人それぞれですが、「自分が大切にするものを見据えて、キャリアアクセルを再び踏むタイミングを計画し、パートナーや家族と話し合っておく」ことが重要です。
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