ホットスポット NHK ETV特集取材班著
未曽有の事故によって原子力発電のあり方が問い直されているが、同時にマスメディアにとっては報道のあり方に重い課題が突き付けられた。
どこに、どんな放射性物質がまき散らされたのか。なぜ政府は放射能汚染の実態を住民に伝えなかったのか。これに対し、なぜNHKの取材班には詳細な測定ができ、放射能汚染地図を早々に作ることができたのか。番組制作メンバーが、これらの疑問に答える。
本書は、取材現場とNHK上層部とのやり取りを描くことで、テレビドキュメンタリーの舞台裏を明かすとともに、原発に批判的な報道をタブー視した「3・11以前」と同様の思考停止がまだ継続されていった現実を白日の下にさらす。
取材班は、本書に未収録の第4作番組「海のホットスポットを追う」に続く第5作、第6作も準備中という。まず事実の把握から物事は始まる。さらなるジャーナリストとしての奮起に期待したい。
講談社 1680円
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら