行き遅れる20代女性たち、結婚できない「子ども部屋おばさん」が量産される日本社会の根本問題

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婚期を逃し、実家暮らしを続ける女性が増えています。その一因として日本社会の変容が考えられます(写真:Fast&Slow/PIXTA)
結婚相談所の経営者として婚活現場の第一線に立つ筆者が、急激に変わっている日本の婚活事情について解説する本連載。今回は、結婚を望む若い世代の不安と社会背景について分析する後編。恋愛経験がないけれども結婚したいと望む大学生の婚活から、若者の恋愛離れの原因となっている親の行動について解説します。
前編:「就職までに結婚したい」22歳女子大生が婚活を急いだ事情、現代社会で"若さ"は武器にならない

「早く結婚したい」のに「恋愛をしたことがない」

20代前半で早々に結婚する人たちの中には、学生時代から交際を続けていた相手と結婚するというパターンが多く見られます。社会に出てから新たに交際相手を探そうとしても、仕事が忙しくて時間がなかなか取れなかったり、職場では同性が多かったり、年配者が多かったりといった理由から、出会いのチャンスがほとんどないということも少なくありません。

大学4年生の女性・陽菜さん(仮名)は、ご両親が比較的早く結婚していることから、自然と早くから結婚を意識するようになりました。彼女の理想は「大学在学中に入籍」。4月から就職するタイミングではすでに結婚生活に慣れ、「妻というポジションを確立していたい」とのこと。

ところが、結婚に意欲的にもかかわらず、「恋愛経験はほとんどない」と言います。大学4年間は共学でしたが、異性との関係は友達付き合いの範囲にとどまり、二人きりで出かけるような親密な関係には発展しなかったそうです。こうしたこともあって就職後も出会いのチャンスがないことを懸念し、学生のうちに当結婚相談所に入会しました。

実は、学生でも結婚相談所に入会できるのは女性で、男性は定職に就いていないと、入会が認められません。定職であれば派遣社員や契約社員でも入会はできますが、実質的に正社員でなければ婚活においては著しく不利になります。

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