昭和の特別な一日 杉山隆男著 ~独特な選択眼で私的な思いをあふれさせる

また都内を縦横に走っていた都電は地下鉄にとって代わられ、まず銀座から都電が消えた。逆にビートルズが日本に来た昭和41年、東京の郊外ともいうべき中野に、ブロードウェイという東洋一という巨大ショッピングセンターが登場する。中野は国電中央線の発達と共に急激に変貌した街である。それは「都市の立体化のパイオニア」を目指した男の夢の実現であった。

どんな日を「特別な一日」とするか、著者の選択眼は独特であり、私的な思いがあふれている。

本書にならって、わが「特別な一日」を見つけたいと思う。

すぎやま・たかお
著述家。1952年生まれ。一橋大学社会学部卒業後、読売新聞記者を経て著作活動に入る。86年に新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興亡』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞、96年に『兵士に聞け』で新潮学芸賞を受賞した。

新潮社 1575円 252ページ

  

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