「オニツカタイガー」76年の歴史に刻まれた25年の休眠期間。なぜ現代の消費者の胸に響くブランドへ様変わりを果たせたのか?

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違うものを組み合わせる「融合」も持ち味だ。

「2012年に表参道店をオープンさせた時のコンセプトは“古今東西”で、外観はコンクリートにトラ柄を連想させる木目を黒墨で入れ、1階は日本の竹を使用した床にしました。でもソファはイギリス製を採用し、女性も入りやすい店を目指したのです」

看板商品のシューズに、古き良き部分と新しい部分を組み合わせるのも融合といえよう。

一方、組織運営では融合させないこともある。

「ブランドとマーケティングのチームは分けており、絶対に一緒にしません。ブランドチームの役割はブランド価値を上げることに特化し、マーケティングチームはリサーチ(調査結果)をもとに売り上げを立てるのがミッションです」

残された課題を聞くと、「未来をどうしていくかが課題」と話し、こう続けた。

【本文中で紹介できなかった画像も】色とりどりのラインナップが展開されている

モノを売っているだけではない

「オニツカタイガーには1949年から続く76年の歴史があり、ブランド展開28年、休止した25年を経て、再活動してから24年目です。昔の資産+今の資産の延長線上に未来があると思います。創業100年に向けて“モノを売っているブランドではない”や、“価値を伝えてお客さまを幸せにする”を訴求していきます」

ビル内に入居する直営店でも、照明を調節した店内には独自の世界観が漂う。マーケティングでいう「ブランドは空間を売る」を体現するかのようだ。

高井 尚之 経済ジャーナリスト、経営コンサルタント

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たかい なおゆき / Naoyuki Takai

学生時代から在京スポーツ紙に連載を始める。卒業後、日本実業出版社の編集者、花王情報作成部・企画ライターを経て2004年から現職。「現象の裏にある本質を描く」をモットーに、「企業経営」「ビジネス現場とヒト」をテーマにした企画・執筆・講演多数。近著に『なぜ、人はスガキヤに行くとホッとするのか?』(プレジデント社)がある。

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