「オニツカタイガー」76年の歴史に刻まれた25年の休眠期間。なぜ現代の消費者の胸に響くブランドへ様変わりを果たせたのか?

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人気商品はいくつかあるが、代表作は「MEXICO 66」シリーズだ。1960年代の雰囲気を残しながら現代風にデザインされ、機能性も兼ね備えている。

「2002年に誕生してからずっと売れ続けています。よくレトロモダンといわれますが、当時のお客さまに支持されたデザインは今でも通用する、変わらないよさがあります。一方で機能性は進化しているので、昔にはない履き心地を追求しています」

1977年に休止して2002年に復活

実は「オニツカタイガー」は25年の休眠期間を経て復活したブランドだ。

1949(昭和24)年に鬼塚喜八郎氏(1918-2007)が創業した鬼塚株式会社からスタートしたブランドで、「オニツカタイガー」のシューズを履いた国内外の選手が1964年の東京五輪で大活躍するなど競技用ブランドとして知名度を高めていった。

それが1977年にオニツカ、ジィティオ、ジェレンクの三社が合併して「アシックス」が誕生すると「オニツカタイガー」は休止して「アシックス」ブランドが展開されていく。

ブランドが復活したのは2002年で、それまで人気だったハイテクスニーカーブームが一段落し、トレンドに敏感な当時の若者が懐古的なスニーカーに目を向け始めていた。そんなレトロブームへの空気感と復活を望む声にも後押しされて再開する。

前述した「MEXICO 66」はいち早く展開した商品だが、セレブが着用した宣伝効果もあった。例えば大ヒット映画『キル・ビル』(2003年日米公開)で主演女優のユマ・サーマンが「オニツカタイガーのタイチ(TAI-CHI)」を履いたことが、当時話題となる。

今になって振り返ると、四半世紀の休眠期間があったから以前のイメージが継承されずに、新たなブランディングで訴求できたのだろう。

新商品発表会に登壇した庄田良二オニツカタイガーカンパニー カンパニー長(撮影:尾形文繁)
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