コロナで「枯れった」汐留と、公園併設「グラングリーン」が賑わう大阪。鉄道用地の再開発、どこで明暗が分かれた?
かつ、JR新橋駅から汐留までの地下道ルートも、JR新橋駅⇔カレッタ汐留間では都営地下鉄の改札を回り込み、シオサイト内の南北移動も階段による上下動がある(地上の環状2号地下をくぐるため)など、T字ルートのはずなのに動線がぐにゃぐにゃで、見通しが利かない。
多くのテナントを商業的に維持するための「外部からの人流呼び込み、敷地内外の回遊(買い回り)発生」が、シオサイトではきわめて発生しづらい。かつ、「汐留に行ってみよう!」というコンテンツも「劇団四季」劇場くらいしかない。
それでも、首都圏の土地相場の高騰もあって、公示地価は汐留が約4000万円/坪、梅田が約2300万円/坪。賃料も高くせざるを得ず「不便で人流は少ないけど、賃料コストは高い」ことから、カレッタ汐留のような撤退ドミノが起きやすい状況にあったといえるだろう。
問題は「もともとの立地」に加えて、敷地内外の回遊・コンテンツ不足を織り込まなかった「都市計画そのものの問題」だ。
梅田の「じわじわ開発」結果的に良かった?ヨドバシ進出も好影響



大阪・うめきたと東京・汐留は、25兆5000億円にものぼる旧・国鉄の債務返済を目的として、民営化が施行された1987年には売却が決定していた。その後の経緯が「バラバラ売却・各社任せ開発」か「ほぼ一体売却・時間をかけて開発か」という違いが、結果として明暗に繋がった感がある。
汐留は1986年の貨物駅廃止後に区画整理を行った上で、電通・日本テレビ・富士通などに11区画を切り売り。各企業が2002年から5年程度で自社ビルを建設し、いまの「汐留シオサイト」が完成した。
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