コロナで「枯れった」汐留と、公園併設「グラングリーン」が賑わう大阪。鉄道用地の再開発、どこで明暗が分かれた?

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大きな違いとして、まず大阪・うめきたと東京・汐留は、エリアの集客力が同格ではない。

7路線・15駅が集結、1日250万人の利用客が行き交う「JR大阪駅・各線梅田駅」と直結するうめきたエリアに対して、汐留に直接乗り入れるのは都営大江戸線・ゆりかもめのみ、乗降客が多いJR・都営浅草線の新橋駅には、500mほどの距離がある。もともとの人流の多さで比べると、ターミナルとしての利便性や、そもそもの格が違い過ぎるのだ。

HEP FIVE
大阪・梅田の「HEP FIVE」(筆者撮影)

また、大阪・うめきたの隣接地域は、阪神百貨店があるJR大阪駅南側、阪急うめだ本店・HEP FIVEなどがある東側(通称:阪急村)、ほかヨドバシカメラなどが幅広い集客力を持ち、空中デッキや地下道で、昔よりは各エリアを容易に往来できるようになった。

各自のセールやイベントごとに賑わいが各地に広がっており、エリア全体である程度回遊が発生するような仕掛けを、地域全体で築いてきたのだ。

汐留
汐留から銀座方面は陸橋で移動できる。利用者はあまりいない様子だ(筆者撮影)

一方で、東京・汐留は、シオサイト東側が「浜離宮恩賜庭園」で市街地そのものがなく、西側の「イタリア街」(一応おなじ「シオサイト」内)はJRの高架・築堤が障壁となる。北側の銀座方面も昭和通りで塞がれ、繋がっているのは細い陸橋のみ。

いずれも案内が不十分で往来が盛んとは言えず、近隣地域を巻き込んだ回遊が発生しづらい(というより、想定していない?)。立地として、ちょっとクローズ・袋小路な場所と言える。

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