中国シャオミ、株式売却で「8205億円」調達の狙い EV事業の成長やAI関連の研究開発に積極投資へ

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シャオミは2024年3月に発売したEVの第1号モデル「SU7」がバックオーダーを抱える人気を博している。写真はSU7の高性能版「Ultra」を発表する創業者の雷軍氏(同社のSNS公式アカウントの動画より)

中国のスマートフォン大手の小米集団(シャオミ)は3月25日、既存株式の売却を通じて約425億香港ドル(約8205億円)を調達すると発表した。

シャオミは2024年3月に新規参入したEV(電気自動車)事業が目標を上回る急成長を続けている。同社は調達した資金をEV事業のさらなる拡大や、AI(人工知能)関連の研究開発などに投じるとみられる。

今回の資金調達は、合計8億株の既存株式を1株当たり53.25香港ドル(約1028円)で、少なくとも6組の投資家に売却することでまかなう。この値付けは、過去10営業日の終値の平均値である55.25香港ドル(約1067円)より約3.6%安い。

創業者の支配権は揺るがず

「株式売却の価格および条件は公平かつ合理的であり、会社と株主の全体的な利益にかなう」。シャオミの董事会(取締役会)は声明の中でそう説明した。

開示資料によれば、売却される8億株は同社の発行済み株式数の約3.2%、議決権ベースでは約1.2%に相当する。

注目すべきなのは、これら8億株の実質的な所有者が、シャオミの創業者で董事長(会長)を務める雷軍氏が設立したファミリー・トラスト(家族信託)であることだ。

今回の売却により雷氏の持ち株比率は下がるが、シャオミの経営に対する支配権は揺るがない。開示資料によれば、売却完了後の雷氏の持ち株比率は発行済み株式数の23.4%、議決権ベースでは64.1%になるという。

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