松本人志の発言がこんなにも注目される理由 フジ「ワイドナショー」に見えるコンサル化

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とりわけ前園さんや古市さん、旅行家など、ほぼ素人のような人物が松本の手でタレントらしい魅力を身につけていく過程は、優れたコンサルタントの仕事そのもの。これまで「スキルの確かな後輩芸人とスタッフを集めて番組を作ってきた」松本さんの変化といえるのではないでしょうか。

たけし&さんまとは異なる家庭人の顔

松本さんのコンサルタント化は、やはり2009年の結婚と、その後、お子さんをもうけられ父親になられたことの影響が大きいように見えます。『ワイドナショー』で家族に関するニュースが扱われると、庶民的・常識的な目線から発言していますし、昨年8月には松本さんの父親が亡くなったときのエピソードをしみじみと話していました。

その姿は、「いかに独自の視点や、面白い切り口で話すか」にこだわり、研ぎ澄まされたひと言を放っていた結婚前とは正反対。しかし、「大物であり、能力的に天才」の松本さんが庶民的・常識的な発言をすること自体、視聴者にとっては新鮮であり、思わず耳を傾けてしまうのでしょう。また、松本さんが庶民や常識にまで降りてきたことで共感しやすくなり、それが番組への安定感をもたらしているとも言えます。

もしかしたら松本さんは、視聴者や制作スタッフが、「必ずしもエッジの効いたコメントを求めているとは限らない」ことに気づいたのかもしれません。思えば『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)時代の松本さんは、バイオレンスやハラスメント系のエッヂが効きまくったネタも多かったのですが、今は「妻や子どもに迷惑をかけられない」という潜在意識があるのか、そのようなネタは皆無。『ワイドナショー』と『ダウンタウンなう』が生放送ではなく収録放送にしているのは、失言を避ける意味合いもあるのでしょう。

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