「なぜ、名作には“桜”が登場するのか?」桜といえば思い浮かぶ作品…あまりに美しい《実在する桜のロケ地》“5選”を訪ねてみた

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沼津の市街地から車で約10分の場所にあることから、ロケの合間に海の幸を楽しむこともできるほか、東京から日帰り圏内で、撮影がしやすく、桜を効果的に登場させることのできる場所であると言えるでしょう。

愛鷹広域公園
愛鷹広域公園の美しく咲き誇る桜のトンネル(写真:DAR Pictures/PIXTA)

同じく2015年公開の映画『あん』(河瀨直美監督)も、桜が印象的に登場することで知られる名作映画です。

作品の舞台となり、主演の故・樹木希林さん扮する「徳江」が店に立つどら焼き屋「どら春」が位置しているのは、東京都東村山市の西武新宿線久米川駅そばにある「さくら通り」。店舗は通り沿いのビルにセットとして作られたとのことですが、桜の咲き乱れる最高のロケーションが選ばれました。

さくら通り
東村山市にある「さくら通り」でロケが行われました(筆者撮影)
東村山
作中の「どら春」のセットが作られたビル(筆者撮影)

樹木希林さんの最後の主演作品となった本作。隣駅の東村山駅近くにある「清水屋」さんでは、劇中で永瀬正敏さん扮する「千太郎」が苦心して作る「塩どら焼き」にちなんだ「東村山塩どら」が今でも販売されています。作品の世界観を反映した、桜の塩漬けが載った生地が魅力。ロケ地めぐりのついでに是非どうぞ。

どら焼き
映画にちなんだどら焼きを販売する「清水屋」(筆者撮影)
どら焼き
作中の「塩どら焼き」を表現するため、桜の塩漬けで塩味を出した「東村山塩どら」(筆者撮影)

また、東村山の駅前には、ご当地出身の志村けんさんに敬意を表し、銅像が立っています。駅舎に沿って立つ3本のケヤキの木は、「志村けんの木」として市民に愛されています。

志村けん像
「アイーン」のポーズをとる「志村けんの像」(筆者撮影)

訪日外国人観光客の52%が「桜の鑑賞をしたい」

時はさらにさかのぼり、2006年公開の映画『博士の愛した数式』(小泉堯史監督)でも、ポスタービジュアルをはじめ、桜の名シーンが登場します。寺尾聰さん扮する、記憶が80分しか続かない「博士」と、深津絵里さん扮する、シングルマザーの家政婦「杏子」が満開の桜の下を散歩するシーンです。

この名シーンのロケ地は、長野県小諸市の「懐古園」。「さくらの名所100選」にも選ばれている名所で、鎌倉時代前後に端を発し、戦国時代に武田信玄や山本勘助によって築城された「小諸城」が原型となっています。

懐古園
博士と杏子が散歩するシーンが撮影された「懐古園」(写真:kazukiatuko/PIXTA)

かつて、作家・島崎藤村も近所に住んでいて、「小諸なる古城のほとり」という一節に代表される、今も文化の香りのする場所として、市民に愛されています。

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