「なぜ、名作には“桜”が登場するのか?」桜といえば思い浮かぶ作品…あまりに美しい《実在する桜のロケ地》“5選”を訪ねてみた

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参宮橋周辺には、1912年に発表された文部省唱歌『春の小川』で歌われる小川のモデルであるとされる「河骨川(こうほねがわ)」が流れており(現在は暗渠〈あんきょ、地下に埋設された水路〉として存在)、この地域が古くから春の行楽の名所であったことを伝えています。

渋谷はるのおがわプレーパーク
代々木公園の駅そばにある「渋谷はるのおがわプレーパーク」(筆者撮影)

続いて紹介する桜の名作は、映画『君の膵臓をたべたい』(月川翔監督、2017年公開)。住野よるさん原作の実写版映画で、浜辺美波さん演じるヒロイン「桜良」の名前からも、桜を連想させます。

彼女が膵臓の病気で余命が長くないことを知ってしまった、北村匠海さん扮する主人公の「僕」が、「桜良」との喜びや心の痛みに包まれながら残された時間を過ごしていく、という物語です。

映画のポスタービジュアルでも、桜が背景になっていますが、そのロケ地は、京都府京都市にある「伏見であい橋」。「僕」と「桜良」の通学路の途中にある橋です。桜が舞う中での読書のシーンなどは忘れられない映像となっています。

「であい橋」の名前の由来は、橋自体がY字になっていることによるもの。京都で桜の名所といえば、嵐山や天龍寺、八坂神社、清水寺などが思い浮かびますが、こちらは京都駅を挟んで反対側の伏見区で、いわば穴場と言えるでしょう。京阪電車中書島から徒歩約8分で、付近は酒蔵などが立ち並ぶ歴史ある街となっています。

であい橋
「伏見であい橋」の上から見た桜(写真:soulman/PIXTA)

「桜のシーン」はメインロケ地とは別の場所

2015年公開の映画『海街diary』(是枝裕和監督)でも、有名な桜のシーンが登場します。

広瀬すずさんが演じる「すず」が、前田旺志郎さん扮する「風太」と自転車で走る感動的なシーン。桜のトンネルが印象的ですが、そのロケ地となったのが、静岡県沼津市の「愛鷹広域公園」です。

神奈川県鎌倉市がメインの舞台だった本作。このシーンだけは桜の名所であるこの公園で撮影されました。愛鷹広域公園は、1989年開園の静岡県立の運動公園。野球、陸上競技、サッカーなど県東部のスポーツ大会の決勝が行われる場所です。

愛鷹広域公園
静岡県では桜の名所として知られる「愛鷹広域公園」(筆者撮影)
愛鷹広域公園
スポーツ大会などが開催される大きな運動場を併設しています(筆者撮影)
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