また、漢方には「似類補類(にるいほるい:形が似たものは似たものを補う力がある)」という考え方があります。“脳の形をしているからクルミは脳にいい”といった考え方です。
この似類補類でいうと、レンコンの空洞は気管支に似ているため、気管支のトラブルを抑えるとされています。形が似ているから効果がある……かどうかはわかりませんが、実際に、レンコンの絞り汁には炎症を鎮めて、潤いを補う力があるので、喉の炎症や乾燥感を改善したいときには、おすすめです。
古代中国の薬草辞典である「本草綱目(ほんぞうこうもく)」には、“生肌(せいき)”の作用もあると書かれていますから、肌を潤す作用もあるようです。乾燥が続く今の季節は肌も乾きがちなので、レンコンを大いに活用したいところです。
生食と加熱で変わる働き
レンコンは、生か加熱するかによって効能が変わるので、目的によって使い分けるとよいでしょう。
生は、冷やす性質を持ちます。体にこもった熱を冷まし、潤いを与え、血行不良を改善し、熱による出血を止めてくれます。喉の炎症や肌の乾きを何とかしたいという場合は、生で摂ることをおすすめします(摂り方はあとでご紹介します)。
ただし、胃腸が冷えやすい人やお子さん、白いたんがよく出る人は生食を控えたほうがいいでしょう。
出産後は通常、生ものや冷たいものを控えたほうがいいのですが、生のレンコンは例外です。血を巡らせる作用があるので、食べたほうがいいといわれています。
一方、レンコンは加熱すると冷やす性質がなくなり、胃腸の働きを改善して食欲を増進します。また、血液を養って気持ちを安定させ、肌の再生を促します。
以下に、レンコンに含まれる有効成分と効能を挙げておきます。
①ビタミンC
レンコンには複数のビタミンが含まれていますが、なかでもビタミンCの含有量が豊富。ビタミンCは抗酸化力があり、免役の強化に役立ちます。またコラーゲンの生成を促して、肌を生き生きと保つ作用もあります。
②カリウム
体内のナトリウムのバランスを調製することで、ナトリウムを水分とともに排出します。カリウムが不足するとナトリウムが排出されずに体内に蓄積するため、血圧が上がってしまいます。
そのほかにも、カリウムは神経伝達や筋肉の収縮など、さまざまな働きに関わるミネラルです。
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