Skype、いよいよ5月に終了。20年以上の歴史を振り返りつつ、代替となるビデオ通話サービスの違いをチェック

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Skype 3.1では、ビジネス向けの機能拡充など改良が行われたものの、さほど大きな進歩ではなく、不満を覚えたeBayの下で、Skypeの共同創業メンバーを含む経営陣が続々と解任される事態になった。

2009年にリリースされたSkype 4.1では、720pのビデオ通話品質が改善され、さらに当時従量制で提供されることが多かった公共Wi-FiスポットにSkypeを通じてアクセスできるSkype Access(Skype Wi-Fi)機能も追加されたが、結局eBayはこの年、投資家グループにSkypeを売却している。

Windows、Mac、LinuxなどいずれもPC対応のアプリケーションとして提供されてきたSkypeだったが、2010年の終わりには、初めてのモバイル版となるiPhone版Skypeアプリが登場した。さらにその翌年にはAndroid版もリリースされ、スマートフォンでもSkypeによる音声通話が利用可能になった。また、インターネット接続機能を搭載するスマートTVなどの新しいデバイスにもSkypeは浸透し始めた。

マイクロソフトが買収

そんなSkypeに興味を示し、新たな買い手となったのがマイクロソフトだった。マイクロソフトは、2011年5月に85億ドルもの巨費を投じてSkypeを買収し、このころリリースされたSkype 5.1では、月額サブスクリプションユーザー向けにグループビデオ通話機能や画面共有といった、現在でも重要な機能が搭載されるようになった。もちろんサブスクユーザーは広告表示もなくなり、Facebookとの統合機能なども提供された。

マイクロソフトは、Skypeと競合するうえに設計が老朽化していたMicrosoft Messengerの提供を、2012年で終了することにした。そしてそれ以後は、Skypeをマイクロソフトの主要なメッセージングアプリとし、Microsoftアカウントで利用可能とした。この変更は、Skypeにさらにユーザーを呼び込むこととなったようだ。一方で、P2Pをベースとしていた通信機能は、2016年にクラウドをベースとする形へと切り替わった。

Skypeにとって2017年は大きなターニングポイントになったかもしれない。マイクロソフトはこの年、コラボレーションアプリ「Microsoft 365」の提供を開始した。そこには新しいビデオ通話機能「Teams」が含まれており、マイクロソフトはそれまでビジネス用のビデオ通話機能として提供していたSkype for Businessのサービスを、Teamsに移行すると発表した(ただし、Skype for BusinessはオリジナルのSkypeではなく、Office Communicator ~ Lyncと呼ばれたコミュニケーションサービスをベースとしたものだった)。

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