「シングルイシュー政党のまねはしない」「今求められるのは総合的な航海図」 支持率低下の立憲民主党・小川淳也幹事長に課題を聞いた

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――そうですね。確かに、例えば「103万円の壁」も、日本が抱える多くの問題の1つにすぎません。

例えば先ほど申し上げた人口減。毎年100万人が減っている中でどう地域社会を維持するのか。高齢化率が高まる中でどうやって社会保障制度をリフォームするのか。莫大な財政赤字も、未来永劫許容するわけにはいかない。そのほかいろいろなことをトータルで描けなければ、日本は次の時代に行けないと思います。

――おっしゃることはよくわかるし、まさにトータルで取り組んでいくべきだと思います。ただ、まずはここから始めて、一気にはできないけどその先にこれとこれとこれがある、という優先順位が見えたほうが、国民にとっても応援しやすいのではないですか?

それは、どれくらい総合的で、どれくらい具体的で、どれくらいわかりやすいかということをなしに今議論しているのでそう思われるかもしれませんが、私自身は、今有権者に求められているのは総合的な“航海図”だと。部分的にやっても、これだけ利害が絡み合っていると個別の利害対立に陥って抜け出せなくなるんですよ。

だからやはり、(それぞれの政策が)いかに全体最適に貢献しているかという全体設計図がないと立ち行かない。そういう意味も込めてあくまで大事なのは全体パッケージだと思っています。

マネジャーである幹事長の“限界”

――では、立憲民主党としてそういう全体パッケージを参議院選挙に向けて打ち出していくということなのでしょうか。

基本はそう思っています。ただ言い訳するつもりはありませんが、どこまで行っても、今の私は立憲民主党のリーダーではない。幹事長はマネジャーで、その職責は踏まえなければならないので、代表の考え、代表のポリシーの枠から出るわけにはいきません。

――しかし政党支持率は、現状では国民民主党にかなり水をあけられています。立憲民主党は野党でありながら、既得権益を持った既存政党だと見られているのではないですか。参院選に向けてこうした見方を覆すことができなければ、どんどん支持を失っていくのではないでしょうか。

それはまったくその通り。反論のしようがありません。

撮影・編集:昼間將太、田中険人
青山 和弘 政治ジャーナリスト、青山学院大学客員研究員

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あおやま かずひろ / Kazuhiro Aoyama

元日本テレビ政治部次長兼解説委員。1992年日本テレビ入社。1994年に政治部に異動し、以来羽田政権から石破政権まで16の政権を取材。野党キャップ、自民党キャップ、ワシントン支局長を歴任し、国会官邸キャップを2度6年に渡り務める。与野党、省庁を問わない幅広い人脈を持ち、分かりやすい解説には定評がある。2021年に独立し、メディア出演、記事執筆など精力的に活動している。HP:青山和弘オフィシャルウェブサイト

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