ハーバード大学「新奨学金制度」で見せた太っ腹! 年間授業料800万円超を免除する世帯年収の上限を2倍の「2900万円」に引き上げへ
職業による所得格差は日本よりもはるかに大きい。アメリカ労働統計局の調査では、全労働者の平均年収は6万5470 ドル(約950万円)だが、大卒の7万7643ドル(約1125万円)に対し、一般労働者は3万9877ドル(約570万円)で大卒は高卒のほぼ倍を稼ぐ。参考までに日本での大卒と高卒の平均年収格差は1.3倍だ(厚生労働省)。
専門性が加味されるとその差はさらに広がる。専門性の高い金融業界で働く人の平均年収は9万0580ドル(約1300万円)なので、高卒に対して2.3倍となる(なお、同じ高卒ブルーカラーでも所得に地域格差がある。カリフォルニア州では6万2000~7万1000ドルだが、南部の非都市部では4万3000~5万6000ドルでほぼ1.3倍である)。
高収入獲得のために高額な大学授業料を払う必要がある
大学に行かなければ高収入を得られないが、大学の授業料はきわめて高い。
プリンストン大学の2024年度の授業料は5万9710ドル(約865万円)で、これに書籍・資料代1050ドル(約15万円)が加わる。大学の多くは全寮制なので、さらに寮費と食事代が2万3280ドル(約337万円)で年間の費用は8万4040ドルと1200万円以上になる。
ハーバード大学も授業料5万9076ドル(約856万円)、教科書・資料代1000ドル(約14万円)、寮費2万6629ドル(約386万円)。合計8万6705ドル(約1260万円)だ。
州立大学の授業料は私立大学ほど高くなく、州の居住者で平均8914ドル(約130万円)、州外の居住者で1万9081ドル(約277万円)だ。しかしそれでも、日本の大学の授業料より高く(慶応大学の文系で約114万円)、さらに寮費などが加わる。
富裕層でなければ、この高額の授業料などをどう賄うか。理想的なのは、成績優秀で授業料を免除してもらうことだが、絶対数が限られるため、多くは公的な学生ローンを利用するか、金融機関から借りるかしかない。
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