高まる「玉木首相爆誕」の可能性、石破首相"末期症状"で思惑うごめく永田町の混沌
しかし、今夏の参院選では黄信号が点滅している。安倍派に所属していた西田氏は、411万円の「裏金問題」を抱えているからだ。
西田氏は昨年3月14日の政倫審で「担当者が独自の判断で行ったこと」とし、道義的責任を表明したものの、事件のインパクトは甚大。これに加えて石破首相の不祥事の責任まで背負わされては、たまったものではないということだろう。
京都府選挙区自体も激戦区になる。3期目を狙う日本共産党の倉林明子参院議員のほか、立憲民主党からは山本和嘉子元衆院議員も出馬の予定だ。とりわけ西田氏にとって脅威になるのは、日本維新の会から出馬を予定している元・関西テレビアナウンサーの新実彰平氏だろう。
関テレ時代に冠番組を持っていた新実氏は、京都府を含む近畿地方での知名度が高い。しかも背後に、京都大学の先輩である前原誠司共同代表が控えている。
不気味な動きを見せる前原氏
前原氏が率いる日本維新の会は3月4日、自公などと共に2025年度当初予算案に賛成し、衆議院本会議で可決させた。国民民主党時代の前原氏は、玉木雄一郎代表が2022年度予算案に賛成したとき、衆院本会議を欠席した。「本予算に賛成するのは連立を組んでいるに等しい」というのがその理由だ。
今回の前原氏の動きは3年前の言動と矛盾しているように映るが、前原氏は3月6日の会見で「少数与党の今、予算が通らなければ国民の生活に支障を来す」と賛成した理由を説明。さらに賛成する条件として「高校授業料無償化」などの政策を自公に飲ませている。
もっとも、国民民主党が主張する「103万円の壁」を178万円まで引き上げると7兆円以上の税収減になるのに対し、維新が求める「高校授業料無償化」に対応するための予算は1064億円にすぎない。石破首相にとっては、鉄道オタク仲間の前原氏から“安い買い物”をしたことになる。
しかし、政治の世界は友情だけで結びつくものではない。前原氏は3月21日に行われた産経新聞のインタビューで、「予算案に賛成したからといって、不信任案に賛成しないことはない」と、フリーハンドであることを宣言した。
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