ニトリの採用は、なぜ学生の評判が悪いのか 「説明会が資料読み上げ」「面接官が熱弁すぎ」

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最後に、面接官の印象が最も良かったのは、インターンでもナンバー1だった損保ジャパン日本興亜(19票)である。「すべて個人面接だったため、時間をかけて話を聞いてももらえた」「学生の意思を読み取ることに真剣になってくれた」「相槌を打ちながら聞いてくれた」。

第2位のANA(18票)でも「最後まで笑顔で話を聞いてくれた」「親身に話を聞いてくれた」などのコメントがあった。学生にとって話しやすい環境を作り、じっくり話を聞いてあげると評価が高くなる。

ニトリは面接官の評判も悪かった

逆に、ワースト1位だったのは、ここでもニトリ(17票)。「学生より面接官が熱弁する時間が長かった」「終始、目を合わせてもらえなかった」といったコメントが並んだ。また、「おかしな対応が多かった。圧迫のようだった」という回答もあった。実際に圧迫面接だったかどうかは不明だが、「学生が圧迫面接と認識すれば、そう評判が広まってしまう」(松岡主任研究員)。

ワースト2位の三井住友銀行(16票)では「自分について何も聞いてくれず、15分程度で面接が終了した」「面接官があくびをしていた」「面接官がふんぞりかえっていた」と、残念な内容のコメントが多い。1人でもこうした面接官がいると、マイナスの評判がすぐに広まってしまう。

クールビズを望む学生は多いようだ(撮影:ヒダキトモコ)

このほか、HR総研は「企業に改善して欲しいことは何か」という質問を学生に投げかけている。その回答の一つに「クールビズ徹底」が挙げられていた。就活期間中にノータイや上着なしの学生が多く、クールビズは定着したかに見えた。だが、クールビズでも構わないという程度ならば、学生はネクタイを締めてスーツを着用した方が無難と判断する。学生としては「クールビズで来るように」と、断定的に指示してほしいようだ。

ツイッターやフェイスブックなどの普及で就活に関する情報はあっという間に拡散する。一度企業イメージを落としてしまうと、回復させるのは大変だ。少しでも優秀な学生を採りたいならば、採用活動に携わる社員一人ひとりが、学生によく見られていることを意識しなくてはならない。

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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