過去75年の株価検証から学んだ「株価暴落のパターン」8つ。下落トリガーになりがちな「陰の主役」とは?

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④為替

為替はニクソンショックの主因となり、ブラックマンデーにも大きな影響をおよぼしました。そのほかにもリーマンショックやコロナショックでも為替が円高に大きく動いたことや、バーナンキショックや円キャリートレード巻き戻しショックでも結果的に為替変動と株価暴落が重なって発生したことなど、為替は多くの株価暴落で陰の主役になっている存在です。

株価暴落に影響を与えるのは、ほぼドル円相場です。ドル円相場は、日米の経済状況を受けて変動しますので、そのメカニズムを勉強しておくことも重要です。特に消費者物価指数(CPI)、雇用統計、政策金利の見通しなどが大きく影響します。

為替が株価暴落につながる局面の多くは急激な円高ドル安(ドルの暴落)です。影響の大きさは変動原因となる「実現した悪材料」によって異なりますので、影響度を自ら判断できるように過去の事例で株価と為替の相関を勉強してみてください。

重要なのは想定内のバブルであること

⑤バブル(崩壊)

スターリン暴落、IOSショック、平成バブルの崩壊、ITバブルの崩壊が該当します。それぞれ、戦争特需、長期間の好景気、経済成長の過熱、IT技術の革新がきっかけとなっています。

バブルのメカニズムは、218ページ以降のバブル判定ツール「ハイプ・サイクル」で詳しく解説しましたが、過剰な期待が続いて「実現した好材料」よりも「株価」が相当割高になり、その期待が剥落した時点で崩壊となります。

そして「山高ければ谷深し」の言葉の通り、バブルが大きければ大きいほど、その後遺症も深く長く続くことになります。平成バブルでは高値奪還まで34年を要しました。

株式投資を続けていると、小さいものも含めてバブルに遭遇する機会は何回もあるでしょう。そのときに、バブルと割り切って参加するのか、冷静になって距離を置くかは、投資家それぞれの判断にゆだねられています。投資家にとっては想定外のバブルではなく想定内のバブルであることが重要です。

⑥政策金利(中央銀行)

バーナンキショック、円キャリートレード巻き戻しショックが該当します。それぞれ、FRB議長、日銀総裁の政策金利に関する発言がきっかけで為替の急変動や株価暴落を引き起こしましたが、いずれも比較的短期間で収束しました。

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