「失礼ですが、旦那様とは偽装結婚ではないですよね…?」日本を愛して来日し、永住権を持つ外国人女性が経験した"日本の見えない壁"

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たしかに毎年の取得人数は永住権が帰化に対して多いのだが、その許可率は永住権約50%に対して、帰化90%以上と、帰化のほうが明確に高い。申請に必要な在留期間も、永住権は10年以上に対して、帰化は5年以上だ。

筆者の同僚でも、「永住権の審査は、細かい書類が多く、基準も曖昧だったので不許可でした。ただ帰化の申請時は求められる内容が明確で、永住権より先に帰化が許可されました」という人物がいる。

それならば、「日本に住みたい外国人は皆、帰化をすればいいのでは?」と思うかもしれないが、二重国籍を原則認めていない日本においては、自分の母国の国籍を放棄するという決断を迫られる

これはかなり重たいものだ。

「母国の国籍を失う」ことは本当に重たい選択

「母国の国籍を失うことについては、長年悩みました。本当に重たい選択でした」

愛する祖国の国籍を捨てるのは重い選択。ウズベキスタンの観光ガイド時代(写真:オルズグル氏提供)

将来的に自分の地元に貢献したい、親孝行をしたい、少なくともその可能性を失いたくないという想いは、我々日本人にもよく理解できるところだろう。

「日本は素晴らしい国です。私は日本が大好き。ただ『機会の平等』という大切な概念を、日本社会はもっと取り入れるべきだと思います。これは、外国人である私だけでなく、日本人の多くの方も苦しんでいるのではないかと思いました」

「私は、この先も大好きな日本で暮らしていきます。外国籍から日本国籍に変わった私の経験が、多くの人たちの未来につながってほしいと思いました」

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