高速バスを使う「台湾観光」が「歴史と今」を感じられる安くていい旅になる

バスは快適に時速100km前後で南下していたが、道路の両側にIT企業が林立する、「台湾のシリコンバレー」といわれる新竹市のサイエンスパーク周辺では、混雑でスピードがかなり落ちた。ちなみに日本にも進出している世界的な半導体企業のTSMCの本社も、このサイエンスパークにある。

新竹を過ぎて海側には水を張った水田、山側には文字通り山地が広がる風景の中をさらに走り、約2時間で高速を降りると、台中市内のいくつかのバス停で乗客を降ろし、最終目的地の台中駅には11時50分に到着した。

台北から台中まで乗車した高速バス。終点にて（筆者撮影）

バスの中では、台湾の見どころや飲食店を紹介する動画も流れ、映りゆく景色と交互に眺めながらのバス旅はとても快適であった。

台湾の新幹線も利用してみた

台中では日本統治時代の近代建築などを見て回り、台北への帰路は新幹線を選択。台中駅から在来線で4駅ほど離れた駅まで移動すると、そこが新幹線（台湾では台湾高速鉄路、略して「高鉄」と呼ぶ）の台中駅だ。

日本の技術供与で2007年に開業した台湾高鉄も、この日は利用者が多く、乗ろうとした列車の3本後まで普通車は満席。ビジネスクラスを選ぶことにした。

台湾高鉄の台中駅に進入する新幹線車両（筆者撮影）

このビジネスクラスもバスと同様、座席は日本のグリーン車並みで、日本ではJR東・西日本などのグランクラスにしかない飲み物とお菓子の提供も。快適な移動を楽しんで、ちょうど1時間で台北客站へ戻った。

こちらの運賃・料金は合わせて1250台湾ドル（およそ5600円）で、高速バスの4倍ほどとやや高い。

別の日、今度は台北近郊で、いま最も人気のある観光地といってよい九份へ、バスで訪れた。