中国、今どきの春節商戦事情、帰省費用に月給2カ月分、若者・富裕層は繁華街からネット・海外へと広がる

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World Luxury Associationの2月1日の発表(http://www.wla.org.cn/html/shouyenarong/dingbuJS/2012/0204/3380.html)によれば、春節期間中に大陸在住の中国人が前年比15%増の72億ドルをぜいたく品に消費したとしている。地域別ではヨーロッパが46%、香港・マカオ・台湾が35%、北米が19%となっている(この調査には日本や韓国が含まれていないので、調査結果は「ヨーロッパは香港・マカオ・台湾以上に中国人にとって魅力的な買い物天国」程度に解釈するのがいいだろう)。
 
 そして春節が含まれる1月1日から2月1日にかけての1カ月間で、ヨーロッパのぜいたく品売上額の62%を中国人の消費が占めており、同様に香港・マカオ・台湾では69%を、北米では28%を中国人が占めた。

中国人が海外で買い物をする理由は、安さと「ホンモノが買える」という信頼感だ。中国本土に流通するブランド品よりは香港やマカオで買った方がより安心だし安い。日本・韓国で売られるブランド品は香港と同等かそれ以上に信頼があり、ヨーロッパはそれ以上に信頼がおける。したがって所得の高い地域ほど、ブランドショップが多い一方で、高飛びする消費者も多いのだが、彼らを引き留めるべく、香港価格と同価格まで割引を行う店もあり、一部の都市ではブランドショップが盛況だったという。

70後以前の世代が控えめな一方、主に20代ないし10代の80後や90後は、社会をあまり知らず、生活水準を上昇させたいとばかりにさらに高い買い物をしていく--。今年の春節がらみのニュースを見ると、春節商戦の主役となるネットを利用する都市部の若い世代の中で、ここぞとばかりに外国へ飛び買い物をしにいく人々と、あいさつ回りだけで財布が寒くなる人々が目立っていた。

山谷 剛史 やまや・たけし
中国内陸部在住のIT専門ライター、中国のIT事情を中心に取材・執筆。著書に『新しい中国人 ネットで団結する若者たち』(ソフトバンク新書)

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