「何もしないほうが得」消極的な日本人が増える背景 "自ら行動しない態度"が広がっている

失敗してまでチャレンジしないほうが得
衝撃的な調査結果がここにある。
「仕事で失敗のリスクを冒してまでチャレンジしないほうが得だと思いますか?」という質問に対し、「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」と回答した人が計65.5%とほぼ3分の2を占めた(n=522)。また「同僚として積極的にチャレンジする人と、周りとの調和を大事にする人のどちらを好みますか?」という質問には、「どちらかというと周りとの調和を大事にする人」という回答が68.2%と7割弱に達した(n=456)。
その理由としてあげられたのは、「もめ事を起こしたくないから」「面倒を起こしたくないから」が多数を占めた。いずれも企業などの組織で働く人を対象にした私の調査(NTTコムリサーチに委託し、企業などの組織で働く男女を対象として2022年2月にウェブで行った調査。拙著『何もしないほうが得な日本――社会に広がる「消極的利己主義」の構造』PHP新書、2022年)の結果である。
つぎのようなデータもある。総務庁(現総務省)青少年対策本部が1993年に世界11か国の青年に対して行った「第五回世界青年意識調査」によると、いまの職場で勤務を「ずっと続けたい」という回答は27.5%と11か国のなかで最低にとどまるいっぽう、「変わりたいが続けるだろう」という回答は28.4%と他国に比べて顕著に高かった。
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