台湾高速鉄道、ベール脱いだ「独自開発車」の実力 営業列車救援の機関車、多機能保守車も「国産」
DD30は700Tの連結に対応できるコネクターとアダプターを装備し、救援電源(列車ブレーキシステムや車内非常照明設備用電源)と空気を供給できる。また、高鉄が独自開発した列車制御・監視システム(TCMS)を搭載し、DD30から700Tを操作することも可能となる。DD30同士の同期運転もできる。
「従来は機関車2機で救援に向かうと、2機の機関車および700Tの運転士、計3人の運転士が必要で、無線機器でやりとりするなどの手間もかかった。しかし、DD30なら運転士は1人で対応できる」(高鉄の担当者)。勾配区間など条件が悪い場所で700Tを救援するのは、同時制御が非常に難問であったが、TCMSの採用でそれが容易になった。DD30なら従来の機関車と比べて救出作業に要する時間は約半分になるという。
保守用の車両も国産化
続いて保守用車の紹介を受けた。多機能型のメンテナンス車両でブーム、高所作業カゴなどの設備能を備えており、日常保守から将来の各種路面電車の大規模保守ニーズに対応し、複数機種への投資を回避し、保守効率の向上と保守作業の効率化を実現するという。
架線作業に用いる場合は架線の敷設や古い架線の巻き取りのほか、トロリ線や超架線などの張り替え作業にも使用できる。保守用車は台湾最大の鉄鋼メーカーである中国鋼鉄が製造した。鉄道基準や労働基準など台湾固有の事情を満たすように設計されており、「われわれの国産化の成功事例だ」という。


無料会員登録はこちら
ログインはこちら