台湾高速鉄道、ベール脱いだ「独自開発車」の実力 営業列車救援の機関車、多機能保守車も「国産」

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台湾高鉄 DD30
台湾高速鉄路が導入した台湾国産のディーゼル機関車DD30(写真:台湾高鉄)

台湾の台北市南港区と高雄市左営区を結ぶ高速鉄道を運営する台湾高速鉄路(高鉄)が2月19日に2024年度決算を発表した。売上高は前期比6.7%増の531億台湾ドル(2403億円)、営業利益は同4.6%増の214億台湾ドル(971億円)だった。

増収の理由はもちろん好調な旅客収入の伸びによるもの。2024年の1日当たり旅客数は21.4万人で過去最高。2007年の高速鉄道開業初年度における1日当たり旅客数は4.3万人にすぎなかったが、新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行した時期を除き、旅客数は一貫して伸び続け、ついにはコロナ前を超えた。21.4万人という数字は上越、北陸、九州の各新幹線を大幅に上回り、コロナ前の東北新幹線24万人に匹敵する。

新車は「台湾独自」内装になる?

よく知られているように、高鉄は東海道・山陽新幹線700系をベースに日本のメーカーが開発した700Tを34編成保有している。しかし、旅客増に対応する輸送力増強が迫られていることに加え、老朽化による車両置き換え時期が近づいているといった理由から、高鉄は新型車両の導入を決断。紆余曲折を経て2024年3月、日立・東芝連合が12両で1編成の列車が12編成、計144両製造することが決まった。

【写真】台湾高鉄が導入した国産の機関車DD30や架線作業車、3年をかけて開発した台車走行試験装置など、高鉄の「独自技術」の数々

新型車両は16両で1編成のN700Sをベースに開発される。高鉄によれば、「新型車両は製造開始から42カ月後に台湾に到着する予定であり、その後必要な走行テストが行われ、製造開始してから50カ月後に営業運転に投入できる見込み」としている。現行の予定では2026年に台湾に到着し、2027年の営業運転が想定されている。

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