英語が苦手な人が意識すべき「仮定法」の考え方 助動詞との共通点を意識すれば仮定法は怖くない
(いま)の話をしているのに、had/couldと過去形を使用しています。時制を後ろにずらすことで、「現実からの距離」をとっているのですね。
また、次の例文も見てください。
「(いま)もし私が君なら、(いまこれから)パーティーへ行くのに」 仮定法過去
→実際は君ではないので、パーティーには行かない
wasではなくwereが使用されています。仮定法では主語に関係なくwereを使用するのが基本です。I/she/heなどが主語であっても、wereを使用します。
くだけた表現ではwasが使われることも多いですが、まずはwereで覚えるのが無難でしょう(実は、wereが使われているのは昔の英語の仮定法の名残です)。
さて、ここで次の文を比べてみましょう。まずは①からです。
「(いま)もし彼がヒマなら、(いまこれから)パーティーに来るだろう」
→彼がヒマな可能性が現実にあるかも……、パーティーに来るかも……
①は時制をずらしていません。現在の話を現在形で表現しています。そのため話者は、「彼がヒマであり、パーティーに来る」という出来事が現実に起こる可能性があると考えています。「現実は違う」ということは述べていません。
次に②を見てください。
「(いま)もし彼がヒマなら、(いまこれから)パーティーに来るだろうに」 仮定法過去
→彼がヒマな可能性はない、パーティーには来ない
②は時制を過去にずらしています。「もし彼がヒマなら」と、現実にはありえない仮定をしているのです。「現実は違う」ということを述べています。「彼はヒマではないし、パーティーにも来ないだろう」という気持ちが、話者の頭の中にあるのです。

「心理的な距離」「現実からの距離」の共通点
助動詞の過去形を見たら、「心理的な距離」「現実からの距離」の可能性を疑いましょう。
こんなお話をしましたが、実は両者には同じ感覚が共有されています。
例えば次の表現を見てください。助動詞の過去形couldを使い、相手から「心理的な距離」をとっています。その結果、丁寧な表現になっています。
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