「無能な上司」ばかりと感じる人に欠けた視点 上司の苦手分野を補うように動いてみると…

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このような悲しいすれ違いが起こってしまうのには理由があります。

上司は、メンバーには言えないさまざまなジレンマを抱えています。

「短期的なチーム目標の達成と、中長期的な経営から見た改革の実現」

「残業制限があるのにやることが多い」

「組織変更、異動、人的トラブルなどの公開できない人事情報を抱えながら、部下にとっては望ましくない配置換えの指示をする必要がある」

「環境変化の激しい時代に、答えのない判断をしなければいけない」

「ハラスメントに注意しながら、気づかせるようにアドバイスしなければいけない」

上司だって感情を持った一人の人間

これはほんの一例ですが、このようなジレンマを抱えているのですから、上司も一人の人間として感情が揺れ動くのは当然のことでしょう。

しかし、部下からそのような葛藤は見えにくいものです。ゆえに、配置換えをしたら「どうして私がそこに異動なんですか?」と言われてしまい、ハラスメントにならないよう配慮を重ねた形でアドバイスをしたら、「何が言いたいのかわかりません」と言われてしまう。それが今を生きる上司の実情です。

社会人になってから実感した人もいるかもしれませんが、大人といっても心は思っていたほど大人ではありません。年齢や立場に対して中身が追いつかないことがあるのは当然です。これは20〜30代だけの話でなく、40〜50代、もっと上の年代でも同じです。

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下地 寛也 コクヨ株式会社ワークスタイルコンサルタント、エスケイブレイン代表

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しもじ かんや / Kanya Shimoji

1969年神戸市生まれ。1992年文房具・オフィス家具メーカーのコクヨに入社。デスクや会議室の配置などの「分け方」を研究したことをきっかけに、社会のさまざまなコト、モノ、サービスの「使いにくい」「わかりにくい」といった問題点は「分け方」で「しやすい」に変えることができるという提案をするように。現在はコーポレートコミュニケーション室の室長と同時に新しい働き方を模索して複業ワーカー(エスケイブレイン代表)としてのビジネススキルに関するセミナーや講演、YouTube動画配信などの活動も積極的に行っている。著書に『考える人のメモの技術』(ダイヤモンド社)、『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)など。

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