免疫増強や肥満抑制も!「短鎖脂肪酸」が凄いワケ 「腸内でしっかり増やすためのコツ」を徹底解説
●肥満抑制について
短鎖脂肪酸の1つ、酢酸には脂肪の燃焼を助けたり、蓄積を抑えたりする働きがある。また、プロピオン酸は血糖値のコントロールや代謝に関わっている。そのため、肥満や内臓脂肪の蓄積によるメタボリックシンドロームを予防し、さまざまな生活習慣病も防ぐことが期待できる。
短鎖脂肪酸を増やすには?
では、どうすれば短鎖脂肪酸を腸内で作ることができるのだろうか。
「手っ取り早い方法は、食事で摂る食物繊維やオリゴ糖の“種類”と“量“を増やすことです」(福田さん)
食物繊維やオリゴ糖を含む食材を食事で摂ることで、腸内細菌にエサをいきわたらせ、短鎖脂肪酸をたくさん作らせるのだ。
ちなみに、短鎖脂肪酸のうち、日本人の腸内で最も量が多いのは酢酸であり、お酢の成分でもある。では、お酢を飲めばいいのかというと、「小腸で吸収されてしまい、大腸まで届かないため、十分な効果が得られないケースもある」(福田さん)とのこと。またプロピオン酸や酪酸はにおいが強いため、直接口から摂取するのは現実的に難しいそうだ。
「さまざまな菌の好みに対応できるように、多様な食物繊維やオリゴ糖を摂ることが重要ですね」と福田さん。
●短鎖脂肪酸を増やす食物繊維・オリゴ糖
食物繊維には水溶性と不溶性があるが、水溶性の中にもいくつか種類がある。タマネギやゴボウに多く含まれる「イヌリン」や、きのこや大麦、オーツ麦に多い「β-グルカン」、マメ科の植物に多い「ガラクトマンナン」などだ。
オリゴ糖にも種類がある。タマネギやゴボウ、トマト、バナナなどに含まれる「フラクトオリゴ糖」や、牛乳に含まれる「ガラクトオリゴ糖」、甜菜(ビート)などに含まれる「ビートオリゴ糖」、ハチミツや味噌などに含まれる「イソマルトオリゴ糖」などだ。
これらの多様な食物繊維やオリゴ糖を摂って、自分のおなかの中に棲んでいる腸内細菌を活発に活動させるためには、偏りなく食品を選ぶことが大切になる。
栄養バランスを考えた理想的な食事に「1日30品目」を目指す食事法があるが、腸内細菌の視点でもこうした食事のあり方は大事だ、と福田さんも勧める。
「腸内細菌の種類や数は多いほうが、さまざまな環境の変化にも対応しやすいです」(福田さん)
無料会員登録はこちら
ログインはこちら