韓国語の「辛い」は約20種!言葉の解像度の地域差 フィンランドの「雪」は約40種、日本語に多いのは?

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韓国料理
唐辛子の消費量が日本より遥かに多い韓国では、日本語の「辛い」に相当する言葉が20種ほどあるといいます(写真:jiangsphoto/PIXTA)
言語化とは、自分の思いや考えを言葉で表現することだけではありません。
相手の立場を思いやって、円滑な意思疎通をしたり、自分の思考を整理し、判断力を高めるためにも必要なスキルです。その意味で、私たちの仕事の大部分は、言語化なしでは成り立ちません。
明治大学文学部の齋藤孝教授の新著『最強の言語化力』では、言語化とはどういうことか、なぜ必要なのか、さらに言語化力を磨くトレーニングやその活用法が紹介されています。
本稿では同書から一部を抜粋しお届けします。

モノが先か、言葉が先か

もう10年以上前になりますが、『世界は言葉でできている』というテレビ番組が放送されていました。私も言葉に関わる仕事をしているため、この番組のタイトルには非常に示唆に富んだものがあると感じ、今も印象に残っています。

言語によって世界ができているという概念を体系として完成させたのが、スイスの哲学者で言語学者のフェルディナン・ド・ソシュールです。

ソシュール以前の人々は、言葉とは世の中に既に存在しているものに後から貼り付けたラベルのようなものだと理解していました。たとえば、ある動物を見つけて後付けで「ネコ」という名前をラベリングし、その動物に追いかけられているすばしこい動物に「ネズミ」という名前を付けたり……という発想です。もともとそこにあったモノや生き物に後から名前を付けたということです。

しかしソシュールはそれを、ある意味で正反対に捉えました。というのも、人間が名前を付けようが付けまいが、動物や植物、モノたちは太古の昔からずっと存在していたわけです。区分けや分類も決まってはいません。

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