進化型「GRカローラ」モータースポーツの神髄 トヨタがレース活動から車両開発を行う理由

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若年層に対するサポートにも積極的だ。e-sportsカテゴリーである「e-Motorsports」では、ドライビングシミュレーター「グランツーリスモ7」において6歳以上であれば参戦可能な「TGR GT Cup」を運営。さらに、現実世界でレーシングドライバーを目指し、e-Motorsportsに取り組んでいる選手を対象にした「TGR e-Motorsportsチャレンジリーグ」も同時に開催する。

スノードライブ2025 in naebadでは、苗場スキー場で毎年開催されている「松任谷由実SURF&SNOW in Naeba Vol.45」とコラボし、ラッピングされたGRヤリスをはじめ、セリカなどが展示された
スノードライブ2025 in naebaでは、苗場スキー場で毎年開催されている「松任谷由実SURF&SNOW in Naeba Vol.45」とコラボし、ラッピングされたGRカローラをはじめ、セリカなどが展示された(写真:三木宏章)

このようにTGRでは、あらゆる角度からさまざまなカテゴリーのレースに関わり、参戦した際には結果を出し続けている。モータースポーツだから参戦する以上、優勝や上位入賞、チャンピオンを継続的に獲得することは使命だが、意義はそれだけにとどまらない。トヨタブランド各モデルに対する認知度の底上げが目的のひとつにある。なにを今さら的な感想を抱かれるだろうが、自動車メーカーのトップが参戦し続ける世界的な影響力は、この御時世でもやはり大きい。

事実、北米や欧州、そしてアジア各国でTGR人気が高まっている。なにより、自身もGRカローラに惹かれ手を伸ばした1人だ。TGRでは、もっといいクルマをつくり続けるためにレースを通じて人やクルマを鍛え上げている。こうした一面が大々的にクローズアップされているが、端的に考えればトヨタファンだけでなく“のりものファン”を増やしたいという純粋な活動だとも受け取れる。クルマ愛にも似たパッションはTGRのメンバーからだけでなく、トヨタの技術者と交わす会話からも存分に伝わってくるからだ。

もっといいクルマづくり=モータースポーツ活動

全日本ラリードライバー勝田範彦選手によるGRカローラのデモラン
全日本ラリードライバー勝田範彦選手によるGRカローラのデモラン(写真:三木宏章)

それにしてもなぜ、ここまでトヨタ(TGR)はモータースポーツに熱心なのか。その答えはトヨタ自身が“もっといいクルマづくり”として幾度となく説明している。1960年代からはじまった本格的なトヨタのモータースポーツ活動を礎にした「もっといいクルマをつくるため」という考え方、これこそトヨタを熱くさせる原動力だ。

「たくさん走らせることでクルマをどんどん良くしていこう!」「世界中のレースで切磋琢磨することで精度をグッと高めていこう!」。トヨタではこうしたわかりやすいシナリオを描いているのではないかと筆者は解釈した。

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