USJ式、部下の心理的安全性を高める2つの方法 デキる上司は目的共有と指針提示で行動を促進
チーム内でも同様の効果を作り出すことができます。
チームの目的、新たな取り組みの目的、そこに込めたリーダーの想いを共有してください。リーダーの視点とメンバーの視点は違いますので、伝えなければ、メンバーは各自で判断し、バラバラの解釈になってしまいます。メンバーが目的を理解し、同じ方向を向いて言動ができれば、チームとしての協働が生まれます。
②ガイディング・プリンシプルをつくる
ガイディング・プリンシプルという言葉があります。ガイディングは、導く、指導する、指針となるという意味があり、プリンシプルは、原理、原則と訳されます。つまり、ガイディング・プリンシプルというのは、チームメンバーを共通の目的に向かって導くための道しるべです。どのような行動を期待しているのか、どのような行動を取れば、目的達成につながるのかを示すものです。
各チームで作るガイディング・プリンシプルは、会社の方向性と連動している必要があります。リーダーが勝手に指針を作り、メンバーを導いた結果、会社が求めている行動と相違があれば、メンバーは人事制度に照らし合わせると評価されません。また、リーダーや所属チームが変わった際に、大きく変化を求められることになります。
そこで、会社が設定している求める行動を自分たちのチームに落とし込みます。「誠実に行動します」をチームで言うと何のことなのか? どういう場面で、どんな判断や言動をすることなのか? を伝えます。
例えば、私が人事マネージャーをしていた当時、社員に共通で求められていた行動が「Everything is possible. Swing the bat! Decide now. Do it now. (すべては可能だ。だからバットを振ろう! 今決めて、今やろう!)」という言葉で表現されていました。失敗を恐れず挑戦すること、スピード感を持って行動することを求めているスローガンでした。これを受けて、私のチームでは、「『どうしたらできるか』と声かけをし合う」というガイディング・プリンシプルを作りました。
例えば、「予算がなくてできない」という言葉が出たら、「予算をもらうにはどうする?」と問いかけます。
「期限までに面接資料を提出してくれない」なら、「どうしたら、期限通り出してくれるようになるかな」。
「研修に遅れてくる、途中で抜ける人がいて困る」なら、「どうすれば時間通りに来たくなるかな」「どうすれば仕事を忘れて研修に集中できるかな」。
このような声かけをし合うのです。
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