診察が終わると、裏にある処置室で首の横にあるCVポート(薬剤投与のための皮下埋め込み型ポート)に点滴用の針を刺してもらう。これは医師でないとできないので、ここでまた待ち時間が発生する。この処置の合間を見繕って、看護士さんにお願いして背中の腎瘻の管周辺の消毒とテープの張り替えを行ってもらう。
この作業は普段は自宅で妻にやってもらっているのだが、通院時に病院でやってもらえば妻の負担を少しでも軽くすることができるからだ。余分な仕事が増えて看護師さんには申し訳ないのだが、いつも快く応じてくれるのでつい甘えてしまう。

一連の処置が終わったら、別の階にある抗がん剤投与の治療室に移動する。時刻は10時を過ぎている。受け付けを済ませ、血圧を測定して問診シートに記入して渡す。
抗がん剤が到着するまで20~30分待っている間に薬剤師さんに呼ばれ、別室で日常的に服用している薬の状況や副作用の有無などを聞かれる。複数の薬を服用しているのだが、正確な知識で疑問に答えてくれ、頼もしい存在だ。
治療室を出るのは13時
10時半過ぎ、治療室に案内される。リクライニング機能がついた革張りの高級ソファに身を横たえる。投与時間が長くなるので、お茶など匂いがきつくないドリンク類を飲むことや、イヤフォンを付けてスマホで音楽を聴いたりすることもできる。ソファの横にセットされたテーブルにコンセントがあり、スマホ用の充電ができるのはありがたい。
この日投与されるのはゲムシタビンとカルボプラチンという2種類の抗がん剤である。まずは生理食塩液100mlと吐き気止めとアレルギー予防の薬剤2種類を投与。30分後にいよいよ抗がん剤の登場だ。
生理食塩液100mlとゲムシタビン1700mgを30分かけて投与する。その後、5%ブドウ糖液250mlと2種類目の抗がん剤・カルボプラチン330mgを1時間かけて投与する。そして最後に生理食塩液100mlを流し込んで終了。治療室を出たのは13時を過ぎていた。
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