通院手段で意外と多かったのが徒歩で、川沿いの桜を眺めたり、公園の花々を愛でたりしながら、のんびりと散策気分で向かったものだ。ゆっくり歩いて25分から30分ほどか。いい運動にもなる。最近もよほど寒い日でない限り、歩いて行くようにしている。

病院には8時より10分ほど前に着くことを目安にしている。機械による受付が始まるのは8時過ぎなのだが、8時の時点ですでに100人以上の外来患者が待合室の椅子に座って順番待ちをしている。6~7割が65歳以上の高齢者だ。
受付開始時刻になると、座っていた人々が立ち上がって列を作り、一斉に機械へと向かう。案内係の女性職員が誘導するのだが、もはや暗黙の了解のようになっていて、静かにベルトコンベアーのように人の波が流れていく。
受け付けを済ませた後に向かうのは、地下にある採血室である。筆者が行くころにはすでに数十人待ちの状態だが、抗がん剤投与がある日は採血の順番を優先してくれるので待ち時間が短縮される。名前を呼ばれて採血のブースに入る。採血本数は多い日で7本、通常は2本ほどだ。
およそ1時間は待機の時間
採血の次は主治医による診察だ。8時に通院するときは診察予定時刻が9時から9時30分となっている。およそ1時間は泌尿器科の待合スペースで待機することになる。病院内のカフェでモーニングセットを楽しむこともある。束の間ではあるが、病気であることを忘れさせてくれる贅沢な時間である。
9時過ぎに主治医の診察が始まる。問診に続き血液検査の結果をもとにした病状の説明、抗がん剤治療の状況説明、今後の治療方針などを聞き、こちらからも疑問点や要望を遠慮なく尋ねたり、申し入れたりする。
医師は逐一細かな点まで説明してくれる。血液検査のデータはプリントアウトしてもらい、CTの画像はスマホで撮影させてもらう。貴重な医療情報は患者自身でも保管し、チェックしたほうがいいと思う。
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