中国人はどれくらいの税金を払っているのか?
イェール大学の陳教授も、「中国では、予算内と予算外の二つを入れて合計してみると、税収はGDPのほぼ35%を占める」と明らかにした。また、「1994年以降、中国の財政収入の増加は、GDPの成長率よりずっと高かった。企業の利潤の増加や国民所得の増加よりも、増加するスピードは速かった」と、中国社会科学院財政貿易研究所の高培勇所長も話している。
9割を法人から徴税 大企業には免税特権
高所長は中国の課税について調べた。「11年1~6月の5・2兆元の税収のうち、国有企業14・1%、集団所有制企業1・0%、株式合弁企業0・5%、株式企業46・3%、民間企業10・2%、外国関連企業20・5%、その他7・4%となっている」と、中国の統計方式にのっとって内容を明らかにした。このデータから得られる基本的な事実は、中国の税収のうち9割は、法人から徴収したものということだ。
そこで、『中国経済周刊』の記者が北京のある会社を調べてみた。その会社の支払っている税金は次のとおりだった。増値税(物品の販売や加工、修理、補修役務の提供、物品の輸入を行う場合に課税される)、営業税(無形資産の譲渡や不動産販売といったサービス提供に課税される)、文化事業建設費、企業所得税、都市建設税、教育付加税、印紙税、車と船舶関連税など。
同社は10年に売上高が3000万元あり、税引き前利益が390万元だった。が、そこから所得税100万元が引かれ、さらに増値税や営業税など310万元を納付すると、利益は完全に消えていた。